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深層学習を用いてX線胸部写真から推定した「放射線学的年齢」が、従来の臨床因子を大きく上回る死亡リスク予測能を持つことが大規模コホート研究で示されました。動的な老化速度の監視がより有用であることも明らかになっています。
加齢に伴う生理的変化は胸部X線画像に反映されます。しかし、同じ年齢の患者でも画像所見の老化度には大きなばらつきがあり、この差が健康寿命にどう関連するかは不明でした。本研究では、健康な対象者で訓練した深層学習モデル「AgeNet」を用いて、X線胸部写真から個人の生物学的な「老化程度」を定量的に評価することを試みました。
40〜80歳の韓国人421,894名を対象とした研究では、以下の結果が得られました:
本研究の重要な点は、すべての患者が定期的に受ける胸部X線検査という「既存の医療資源」から、追加費用なく死亡リスク評価が可能になることです。ハザード比や死亡率比の大きさから判断すると、このAI駆動型バイオマーカーは従来の臨床リスク因子を大幅に上回る予測性能を示しています。特に縦断的な監視(動的評価)の価値が重要で、単一時点での評価より、年単位での老化速度変化が患者の予後を更に正確に捕捉することが示唆されています。このアプローチにより、介入対象となる高リスク患者を特定し、健康寿命延伸に向けた個別化医療が実現する可能性があります。
本研究は韓国人を対象とした後方視的コホート研究であるため、他の民族への適用可能性の検証が必要です。また、加速老化のメカニズムや、その背景にある病態についての詳細な解析は本研究の範囲外となっており、今後の機序解明研究が期待されます。
Original paper: Accelerated Aging and Aging Velocity from Deep Learning-based Chest Radiograph-derived Age for Predicting Cause-specific Mortality. — Radiology. Artificial intelligence. 10.1148/ryai.250609